定例会

大阪黒菜とは

※大阪黒菜 新着ニュース※  大阪黒菜に驚きの分析結果。

大阪黒菜の詳細な分析結果とコマツナとの比較。本分析において、大阪黒菜は一般的なコマツナと比較して、抗酸化力が約2倍。野菜としての旨さ(甘さ)を示すbrix糖度が1.6培など驚きの結果が出ました。

今回の分析に用いられた大阪黒菜は枚方市の独歩ファームにおける有機栽培による春蒔きの黒菜。大阪黒菜は周年栽培できますが、もっとも旨味が増すのが秋撒きであることから、これを分析すればさらに高い数値を持つことが証明されるものと思われます。ダシのような強い旨味と高い栄養素。大阪黒菜の真価が証明された分析結果を報告したいと思います。

 

 

 

 

 

大阪黒菜とは                   大阪にいわれの漬けな類のひとつ

漬菜(つけな)とは、一般的には白菜のように結球しない菜物全般を意味しているが、白菜が出回るまでは「漬け物に適した菜」として非常に需要が高い菜物を意味した。関東では小松菜がよく知られているが、関西においては水菜に黒菜(若菜)、そして九州においては高菜が有名である。

 

『大阪市農業誌』において
黒菜別名若菜、大阪市が原産であるが沿革不明である。昭和20年頃まで主として住吉・西成・東住吉方面で多く栽培されていたが、現在西成区にわずかに栽培されるのみである。

(昭和35年:大阪市農業団体協議会)

黒菜の起源は明らかではないが、 大阪市の北部では天満菜(大阪シロナ) 同様古くから栽培されていたことは間違いないと見られる。 黒菜には、早、 中、 晩生種の分化をみた時代もあるが、 現在では、 中生黒菜、 晩生黒菜の二種がわずかに栽培されている。 葉形はビワナと呼んでいる向きもある。 晩生種も丸葉種と剣葉種の2系統の成立をみているが、 系統維持は不明確である。 寒さに強く、 細い中肋に沿って着生する長楕円の葉は濃い緑色で、 寒さに遭遇すると黒光りする。 生育が進むと葉先が下に向き稍わんきょくする。 府下では、 若菜と黒菜を同一視する向きがあるが、 明確な区別となると、 葉幅が黒菜に比べ若菜がやや広いこと、 葉脈が鮮明に出ること、葉先が湾曲しないこと。 葉色が淡いことがあげられる。若菜も黒菜も外見上は粗硬に見えるが肉質は柔軟で独特の風味をも漬け物にしたり間引きの若苗をゆで、 のし様に結びすましの具に浮かしたり、 白和えにして香りを楽しんだりされる。
山田貴義(昭和56年) 『大阪農業』(大阪府農林技術センター) vol.18-3: 28

 

黒菜は一名若菜と称へられ、大阪兵庫地方に於て冬から春にかけての漬け菜として相当多く消費される。性質きわめて強健特に寒気に耐へる力強く、冬季に於いては相当良好の生育を遂げる。葉の形状は系統により異なる。則ち早生は粗大なるも中生は楕円形、晩生は最も細長く葉面は極めて平滑である。気温高く生育迅速旺盛なる時は淡緑色であるが、温度低下すると共に色澤濃厚となる。晩生は特に濃色である。外観極めて粗硬、質不良の観を呈するも肉質極めて柔軟、特有の風味をもって居
る。つけ物には勿論煮食又は灑物に適す。
3尺畦に3条の條蒔きとし、発芽後2回ほど間引き、 1寸内外の株間にする。 9月上旬から12月下旬蒔きができ、 9月蒔きで30日、 10月蒔きで50日、11月蒔きで70日、 12月蒔きで3月上旬の収穫で反当り約500貫の収穫となる。
小田鬼八(昭和11 年) 『蔬菜高速度栽培法』(賢文館)、 624-625

 

大阪特産蔬菜品種解説において
(22)漬菜
◇黒 菜
十二月 から翌二月までの厳寒期用の煮食漬物両用種、葉色濃緑な長形葉で多肉柔軟独特の風味があり、
ビタミンの含有量が多いと云われる。これには丸葉、剣葉の二系統がある。
『大阪特産蔬菜品種解説』日本種苗研究会会員(昭和31年) p

『総括     大阪黒菜保存会 森下正博代表』

黒菜一名若菜は小松菜類の漬菜であり、 大阪一円で栽培され、 その起源は明らかではないが、 天満菜
(大阪シロナ) と同様古くから親しまれていた冬場の野菜のひとつである。
* 一見粗硬にみえるが肉質は柔軟で独特の風味があること、 また、 葉の形が丸葉から剣葉までさらに葉
の縁に欠刻の生ずる系統もあるようで、 特徴としては耐寒性に優れ、 気温の低下に伴い黒菜系統では葉色
の緑が濃くなり、 光沢を呈するが、 若菜系統は葉の色が淡く葉が稍大きいようである。

◎食味からの「大阪黒菜」の特長について◎

大阪黒菜の小松菜とは異なった5つの特長

①小松菜のような苦味がない

②小松菜よりも大きく成長し味も濃くなる(成熟したものは1m前後まで成長)

③熱を加えると茎部に高菜に似たヌメリ(旨味)が出る

④茹でると出汁に似た味わいが感じられる、油との相性に優れている

⑤鍋物のように炊合わせると他食材との相性がよくなる

 

大阪黒菜の多彩な活用法

「家庭料理」においては、煮もの・炒め物・漬け物・鍋物等に

「飲食店」においては、ラーメンなど麺類に合わせて・葉茎が大きいので「めはり鮨」などのように使用可能・油との相性が素晴らしいので西洋や中華料理の椀物やスープものに・肉類との付け合わせに活用できます。

 

『和洋中の料理人による 大阪黒菜試食会』

大阪黒菜保存会(森下正博代表)による試食勉強会。中華に、大阪北区の「上方中華 新瓊 SHINTANI」の新谷料理長。洋からは中央区本町のイタリアン「往来食堂 TANAKA」の田中料理長。そして和からは泉州の郷土料理研究家の佐野料理長による担当。

※和※「大阪黒菜の黒共和え」  大阪黒菜を葉と茎に分け、湯がいた葉をミキサー等でペースト状にし、すった黒胡麻と混ぜ、最後に炒めた茎と共に和える。

※中華※「大阪黒菜卵とじソバ」  黒菜を一口大にカットし、鶏ガラスープと共にミキサーにかけスムージー風に。黒菜は一晩干したものを用意。先のスムージー風のスープを水を加減して加え片栗粉でとろみをつけ溶き卵を加える。湯がいた麺に卵とじ餡と黒菜をそえてる。黒菜はラーメンなど中華出汁に非常にマッチする野菜。

※洋※「黒菜とベーコンのカルボナーラ仕立て」 黒菜は塩水と砂糖で調味した水につけ込み水揚げしておく。ベーコンを用意し適当な大きさに切る。溶き卵に卵黄と生クリームにチーズでソースを作り黒菜を合わせる。